第1回 小林中さん(上越市)

[ニューヨーク新潟県人会副会長、2004年よりQueensのForest Hillsに在住]

新潟の地酒だけを専門に扱う輸入会社を2004年にNYで立ち上げました。蔵元さん11社の約20銘柄を扱っています。2005年秋にNY・カリフォルニア・シカゴで販売を開始し、これまでに(2009年1月現在)18州まで販路を拡げました。

もともとは化学屋です。東京と大阪で計20年間、外資系の化学会社にて ファインケミカルと呼ばれる化学品の輸出入販売を担当していました。2002年に渡米、ミズーリ州セントルイスで2年間学生生活を送りました。期末試験が 終わる度に自宅でパーティーを開き同級生に実家(造り酒屋)の地酒を振舞ったところ大変喜ばれます。同時に米どころ酒どころとして国内では有名な新潟も、 一歩日本の外に出れば誰もその名前を聞いたことさえないのに気づきました。日本最高の銘醸地である新潟は、ボルドー・ブルゴーニュ・ナパなどと並ぶ世界的 な銘醸地Niigataとして広く知られて然るべき、という信念のもとに卒業直前に起業を決めました。

日本酒の醸造は知れば 知るほど奥が深く、日本人の知恵と技術の結晶であることがわかります。中でも新潟には、柔らかで味わい深く後味がきれいな、所謂「淡麗」な酒を醸すための 4条件、米・水・気候・人が備わっています。この素晴らしい郷土新潟の酒を全米に更には世界各地に広めて行くことが私の使命です。新潟の酒造りの伝統を未 来に繋げる一助になればと願っています。[http://www.niigatasake.com/]

2009年1月9日 ニューヨーク新潟県人会 新年会

1月9日、米国ニューヨーク市マンハッタンの居酒屋「鬼が島」にてニューヨーク新潟県人会の新年会が開催され、初参加8名を含む26名が集いました。新潟 県民といえば、とかく勤勉、忍耐強い、献身的などとイメージされますが、一方では保守的、地味などといわれることもあるようです。しかしながら、ニュー ヨーク新潟県人会には、会長の大坪賢次さんを初めとしてまさに多士済々の顔ぶれが揃っています。大坪さんは新潟県南魚沼市の出身で、ルイジアナ州立大学、 スタンフォードビジネススクール、ワシントン大学で経済学・法学を学び、現在は不動産会社を経営する傍ら病院・美術館の理事を務め、アメリカソムリエ協会 認定ソムリエ、新潟清酒名誉達人であるなど多方面でご活躍されています。

開会に先立ち大坪さんより「1989年に新潟県人会を設立した当初は20名足らずだった県人会も、今や100名に達しようとしています。この間、ニュー ヨーク在住の新潟県出身者や新潟ゆかりの方々の懇親を深めるほか、また2004年の新潟県中越地震、07年の新潟県中越沖地震での募金といったボランティ ア活動にも力を入れてきました。今年は設立20周年という節目の年ですので、微力ながら新潟県庁とも連携して故郷新潟と米国ニューヨークとの紐帯としての 役割を果たしていきたい」と挨拶がありました。

続き、1958年渡米以来在米50年という大ベテランで、ニューヨーク州立大学の神経病理学の教授である安達正純さんの「本日は若い人が多いが、若い頃の 苦労がその後の人生の糧となります。20周年である新潟県人会の発展を祈念します」との発声で乾杯、一同「鬼が島」自慢のそば会席に舌鼓を打ちました。

恒例の1人1分スピーチの後、幹事会を代表して、小林中副会長より2009年度の活動方針が披露されました。「4月の花見はもちろんのこと、夏にはキャン プ、秋にはワイナリーツアー、バーベキューパーティーをやります。また、ニューヨーク新潟県人会のウェブサイトも立ち上げます」とのことで、盛り沢山な予 定に期待感が募りました。その後、新潟の直江兼継を主人公にした今年の大河ドラマ「天地人」の話題などを肴に友好を深めました。 2009年は、新潟県人会にとっては間違いなく、大いなる飛躍の年になりそうです。 文: 橋詰政之(新潟市)