第24回 高橋幸代さん(長岡市)

長岡市出身。ブルックリンで作曲と、音や映像を使った舞台作品の制作をしています。

ピアノを教えていた母の影響で、子供時代は家中に音が散乱。右耳からクラシック、左耳からは祖母の弾く三味線や、ラジオの浪曲の唸り声が入ってくる不思議な環境でした。

その体験のせいか、新しいものと古いもの、海外のものと日本のものの 両極とずっと関わってきました。東京に進学して、大学助手として就職。現代アートと日本の古典芸能の研究をしていましたが、28歳で渡欧を決意。ベルギー の演出家に弟子入りして、舞台作品の制作法を現場で叩き込まれました。ベルギーではその後、作曲の師匠と出会い、エレクトロ・アコースティックという電子 音楽の作曲法も学びました。

ヨーロッパ生活の後、縁あってカナダのバンクーバーに住み、2012 年にNYにやってきました。旅から旅の渡り鳥、なんともとっちらかった人生ですが、素晴しい師に幾人も出会えたこと、気になる扉はともあれ全部叩いてみた こと、そして、生まれ育った新潟の土地と人の温かさ、深さが心の奥底にいつも息づいていることが、私の宝物です。

最近、新内節という江戸浄瑠璃の稽古をしていて、密かにNYのジャズ と比較して楽しんだりしています。どうやらいつも古今東西を往来する運命らしいです。これまで世界中で見聞きし、経験させて頂いたことを、これからどう やってお返ししていけるか、そんなことを考える今日この頃です。

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